欧米は消費者保護が素晴らしい。
日本のような「売り逃げ」ができないし、EUでは「おま値」すら規制の動きがある(続報はどうなったのだろうか?)。
欧米の消費者は当然の権利として返品&返金を求めるし、売れない(つまらない)ゲームなら小売すらメーカー側へ返品することができる。
これならメーカーは誠実にならざるをえない。3年前、バグだらけの『アサシンクリードユニティ』を販売してしまったUbisoftがDLCの無償化に踏み切ったのも頷ける。これが日本のメーカーなら、むしろ「DLCを買えば不満点の修正された"完全版"になりますよ」とでも言いそうだ。そして売上は振るわず、プレイヤーに嫌われるオチまで見える。
なお、アサシンクリードシリーズは最新作オリジンズで大幅に舵を切ったものの、好評なようだ。
未だにソシャゲ(というよりガチャゲー)が絶好調な日本
海外ではEA等のルートボックスが問題化しているが、そんな良心的なものをギャンブル認定…?と思ってしまうほど、日本人にとっては(逆の意味で)対岸の火事である。
そんな日本のゲームを見ていると、いくら合法とはいえ消費者の感情を軽視しすぎている気がしてならない。
「基本無料」ゲームの黎明期には「いかにプレイヤーにストレスをかけるか」(プレイヤーはストレスを取り除くために課金をする)などということも言われていたようだが…
特に看板キャラクターを使ったガチャゲーは、ブランド力や将来性を犠牲に短期的な売上を得ることから「
焼き畑」と揶揄される。しかし、昨今は「皆で墜ちれば怖くない」と言わんばかりの量産体制が続き、もはやFF等一部のゲームIPは焦土になりつつある。
嫌な思い出を残すばかりのガチャゲーはファンの数、潜在的な消費者の数を減らす。少なくとも私はガチャにそのブランドに嫌悪と不信感を持つし、新作は評価を待たずに買うことはなくなる。ガチャゲーも触っては見るが、この手合で楽しめたものは1つも無い。
付け加えておくと、私はガチャそのものが嫌いなのではない。
①低レアリティに存在意義が無い
②同じキャラクターの衣装違いやレアリティ違いを実装する
③次々にインフレしたキャラクター/武器を実装する
等、「安易に儲けようとする」
薄っぺらい集金装置が嫌いなのだ。
きちんとゲームバランスを保ち節度を守っているゲームであれば、多少ギャンブル要素が実装してあっても問題はない。配られるカードが違うだけの話である。
日本のガチャの異常性を顕著に現している例として、海外のソシャゲを輸入する際の日本独自仕様が挙げられる。例えば最近某D◯Mでも展開している某キムヒョンテなゲームでは、本国仕様と比較してガチャの
天井が倍以上に引き上げられていたり、そもそもガチャ石
1個あたりの値段が6倍以上違う、なんてことが起きているが、これはたまたま韓国プレイヤーが広めてくれたから有名になったケースであって、決して特別なケースではない。
ゲームバランスと書いて思い出したロボットゲー
この件は少し長くなる。
かつて某大規模ロボット対戦型ガチャゲーのPが言い放った「(プレイヤーが嫌がるから)基本的に
弱体化によるバランス調整をしない」という狂った運営方針がある。
対戦ゲームという都合、「他機体の強化で帳尻を合わせる」というのも相対的に弱体化していることに代わりはないのであって、それに気付かない人間を騙して「詫び」をケチるためだけの方便である。
最初からプレイヤーと信頼関係を築き、「対戦ゲームなので弱体化をすることがあります」と言っておけば良いのではないか、と思うかもしれないが、このゲームでは新機体をガチャで実装するという、これまた狂った方針があったのだ。
初期の機体は飛ぶように課金されていったが、毎月追加される期待値うん万円の機体に課金し続ける者は減り、よほど強い機体でなければ誰も課金しない…という自体に陥り、新機体にゲームバランスとの両立を求めるのはもはや不可能であった。
更に「弱体化をしない」宣言をしてしまっているため、「テクニック」扱いされてしまったバグすら放置し続けたため、強機体のハードルは跳ね上がり、更に売上を落とし続けた。もはや誰も得をしない負の連鎖である。
更に大規模なバランス調整がこれまた下手糞というか、水を一滴垂らすだけのようなものが続いたかと思えば、鍋を掻き回してひっくり返すようなことが多い。
ある時プレイヤーコミュニティで「威力と怯みや転倒判定は分離してほしい」という声が挙がれば、実際その通りに実装するのだが、論旨を理解しないままやるものだから「
威力は低いが怯みを奪える武器」として期待されていたものが、「
威力が低い上に怯みも奪えない武器」として実装される。更に新機体達は「
威力も高いし簡単に怯みを奪える武器」を持っているのだから目も当てられない。
またある時「ビームライフルってもっと一発一発が重いものだろう?」という声が挙がれば、(中略)「
凄い威力だが、連射の効かない武器」として期待されていたものが「
凄い威力で連射も効く武器」として実装される。更に当たり判定にも優れているのだから手に負えない。最弱クラスの機体で最高級の機体を一方的にボコれてしまう。
子供にやらせてもここまで酷い間違いは冒さないだろう。
だがそんな間違った調整も「
弱体化をしない」。
そして、狂った機体と完全に瓦解したゲームバランスによって、このゲームはかつてない勢いで同接数を減らし、終焉へのカウントダウンを刻んでいる。
オンラインゲームのコミュニティを比較してよく言われること
「
プレイヤーの民度は運営の姿勢に比例する」というものがある。確かに、ゲームを十分に楽しみ、運営の姿勢に理解を示している者たちなら無闇に吠えることはないし、ゲームの攻略法を共有したり、ポジティブな色に染まる。しかし、ゲームが明後日の方向へ進み、プレイヤーが無下に扱われ続ければ、愚痴の一つも書き込みたくなるだろう。そして、その「一つ」はプレイヤーの数だけ書き込まれる。コミュニティはあっという間に絶望ネガティブな色に染まる。
大衆は率直な感想を呟いているだけだし、所詮ネットの書き込みなのだが、どうも日本の開発/運営者達はかなり心にダメージを負っているらしい。だったら最初から欲にまみれた嘘を吐かず、信頼関係を築いておけばいいのだが。
誠実な者には忠犬が与えられ、不実な者には狂犬が与えられる
格言っぽく言ってみたけど、うまくない…